江頭2:50でもココ・シャネルでも「歴史上の人物」「著名人」になりきることが言語化への近道
なりきれば、無数のアイデアが浮かんでくる
チエ:お財布になりきることで、資産運用という「考えないといけないけど、なかなか向き合えていないこと」に向き合うきっかけをくれているんだね。
メイメイ:擬人化を使いこなせると、ただ言語化がうまくなるだけじゃなく、アイデアをたくさん出せるようになりますよ。
アイデアの切り口を生み出す方法として、私のご主人の会社の先輩が教えてくれた方法があります。
商品を真ん中に置いて、その周りに関係するものを列挙するんです。さながら宇宙にあるたくさんの惑星のように、「その惑星から真ん中の商品を見たらどういう言葉が出てくるだろうか」と考えるんですね。
例えば、商品が牛乳だとしましょう。コップが話すとしたら、水が話すとしたら、アンパンが話すとしたら……みたいに連想ゲームのように自由に考えていくとアイデアがどんどん出てきますよ。
チエ:うんうん。擬人化を使えば、確かに切り口は無尽蔵に出てくるわね。
メイメイ:日本では古くから、「自然や物などあらゆるものに神が宿る」と考えられてきました。
こういった擬人化の手法は、日本の伝統芸能と呼べるかもしれませんね。
企画の視点を考えるとき、商品の周りのものになりきったら、発想のネタはいくらでも生まれてきますよ。
<POINT>
なりきって言葉を生み出せば無数のアイデアが浮かんでくる。
▼手代木 聡 電通西日本コピーライター、クリエイティブディレクター
1975年東京都生まれ、広島県在住大学卒業後、Hondaの広告制作を手掛けるプロダクション「原宿サン・アド」に入社。ローカルの方が面白い仕事ができるのでは、と電通西日本の岡山支社に、31歳のときに転職。これまでに企業や行政などさまざまな広告・商品開発・ブランディングを手掛ける。表現をすることに憧れて就いたコピーライターという仕事は、実はクライアントの課題や見えない問題を可視化し、解決するための指針を立てることが醍醐味であるということに気づき、その能力を磨くうちに競合コンペでほぼ負け知らず、クライアントからは指名され続ける唯一無二のパートナーシップを築くようになる。