「世界大学ランキング日本版」5回連続首位・東北大学の海外留学生重視と一般入試を止める日
従来の学力テストオンリーの一般選抜では、将来の研究力の伸びを図ることは難しい。大野英男東北大前総長は、アドミッション機構を創設し、AO入試方式を改善して優秀な留学生を集めるという。留学生は現在2%であるが、10年後には9%、25年後には20%に上げる目算だ。
■研究力が期待できる海外留学生を集める方針に
「研究者の卵」を国内だけに限定していては、世界最高水準の研究目標を達成することは到底できない。国境を越えて世界から優秀な留学生を集めなくてはならないのだ。それには今までのように一般選抜は学力試験主体でなく、将来の研究達成能力開発につながるかどうかを一つの基準にした選抜方式が要請される。それゆえに本人の総合力をはかれる総合型選抜を早期に拡充していく必要性が急速に高まっているという。
海外からの研究志向の留学生に対して、日本語能力が必要とされる学力テストを課す選抜方式が適切ではないのは当然だ。
同大の滝澤博胤副学長は、地元放送局の取材で「国籍が違う、18歳の過程までに受けてきた教育も違う。そういう人(留学生)を受け入れる時に果たして一つの尺度、ペーパー試験で全てが公平公正に行われるか」と述べている。こうした見解に立てば、留学生の選考は実質AO入試(総合型選抜)で行われることになるだろう。