MICIN(マイシン)少額短期保険 笹本晃成社長(1)病気になった人が安心して入れる保険を
健康な人が万が一に備えるもの──それが保険に対する一般的なイメージだろうが、笹本が目指したものは違った。本当に困っている人、つまり、今まさに病気になりそうだったり、病気を患っている人が安心して入れる保険だ。
同社は、オンライン診療サービスなどを展開する医療ベンチャー「MICIN」の子会社として2020年2月に設立。翌21年8月に第1号商品となる、がんを経験した女性を支えるがん保険「乳がん・子宮頚がん・子宮体がん再発保障保険」を発売した。
がんに一度かかると、大抵5~10年は新たに保険に入れない。諦めてしまいがちだが、この保険では、手術から6カ月経っていれば加入できるのが特徴だ。もし再発した時には、使用目的を問わない一時金を受け取れる設計になっている。
「外資系の生命保険会社に勤めていた頃、そういう保険を作れないかとあちこち聞いて回ったんですが、『そんなこと無理に決まっている』の一点張りで……それがMICINに転職したきっかけですね」
穏やかな口調で話す笹本は1971年12月、北海道夕張市生まれ。両親の仕事の都合で2~3歳の頃に大阪に移り、小中高と堺市で過ごした。