夕月 清水淳子社長(7)2018年に社長就任 “季節商材”特有の問題解決に着手
■かまぼこでイタリアンのフルコース
池田さんは元々、ふぐ専門調理師の資格も持つ懐石料理のオーソリティー。30代でイタリアンに転向後は本場で修業し、2007年に「ペッシェ・アズーロ」をオープンさせた。地元のいすみ鉄道とのコラボでレストラン列車を8年半の間運営した他、テレビやグルメ雑誌でしばしば特集される気鋭シェフだ。
「かまぼこでイタリアンのフルコース。これがテーマで、前菜からスープ、2種類のパスタ、主菜まで全部で7品作っていただきました。全国各地から約30人の飲食店関係者や起業家にお集まりいただき、『かまぼこの食感とお味が一層深まる』『バルサミコにもレモンにもベリーソースにも、何にでも合う』など、予想以上に好評でした。このようなイベントから得られる知見を、商品開発やプロモーション、小売店さんへのセールスにつなげたいと思っています」
その後新発売された商品では、20年6月にリリースした「はまドッグ」がヒットした。
「これは魚のすり身にベーコンとチーズを練り込み、パン生地で包んで揚げた商品で、オーブントースターで温めて召し上がってください。かまぼこと、とろけたチーズ、ベーコンのハーモニーが絶妙で、小腹が減った時やビール、ワインのおつまみにもピッタリです」
だが、新しいマーケットの模索が続く中、足元では老舗ならではの問題が顕在化した。 (つづく)
(ジャーナリスト・高鍬真之)