オリオン 小西靖宏社長(3)コカ・コーラ社から販売中止を求められた「10年訴訟」に勝利
「ミニコーラ」「ココアシガレット」をはじめとするパロディー菓子を生みだしたオリオン。リスクを背負ってパロディーした結果、訴訟案件に発展したこともある。1978年に発売した「ミニコーラ」は、あのコカ・コーラから訴えられた。
「商品を発売して大ヒットした79年7月ごろに『不正競争防止法に抵触する』と警告状が届きました。コーラの赤い缶のデザインを模して商品化したミニコーラが、米国ジョージア州のコカ・コーラ本社から『デザインが類似している』とクレームが来て、販売中止を求められたんです。これは、相手が大きすぎて負けるかなと思いましたが、勝訴しました」
裁判は10年がかりの長期戦となったが、意匠登録申請をしていたこと、また、飲料とお菓子は分類が違うので問題はないとの判断で勝訴した。
「誰も勝つと思いませんでしたね。それに味をしめてパロディー商品をどんどん出す流れになりました(笑)。しかし、90年発売の『食べルンですHi』は、富士フイルムさんから『フィルムのおまけに使いたい』という依頼をいただき、BtoBビジネスとして成功しました。笑ってもらいたくて作った商品が、コラボ商品に変身したのです」