ジョージ・ソロスはなぜ天才と呼ばれるのか? 激動の時代に必要な「危機を利益に」の感覚
ジョージ・ソロスは天才投資家として知られ、英国政府と戦い、通貨危機を起こしたことでイングランド銀行を潰した男とも呼ばれています。
投資家であると同時に哲学者であり政治活動家でもあります。彼の投資手法の根底には子供の頃の体験や哲学的思考があるので、それを理解しないと手法を理解することができません。
ソロスの投資で一番特徴的で重要だと思うことは「危機を利益にする」視点です。これはソロスが子供の頃から培った視点です。
ソロスはユダヤ人で、子供の時にナチスに連行されそうになりました。ナチスから強制連行の通知が来た時に、ソロスが皆に強制連行の目的を伝えても「ナチスがそう言うなら、それがルールだ」と命令に従う人が多かったのです。多くの眠れる羊状態だった人たちを失うことになりました。
一方、ソロスは父親が作ってくれた偽の身分証明書で難を逃れました。危機に対処することは危機を利益にすることにもなります。
ソロスの利益の出し方にはいくつかありますが、危機を利益にする感覚がかなり強いと思います。イングランド銀行と戦って莫大な利益を得た時は、ソロスが通貨危機をつくって利益にしたほどです。「危機を利益にする」は実は、今の激動の時代に一番大事な概念ですが、ほとんどの人が持っていない投資概念です。