ローランド ゴードン・レイゾン社長(1)日本を代表する楽器メーカー初の外国人社長と「演劇」
「当時の私は、世界がどのように成り立っているのかを理解したいと考えていました」と、レイゾン氏。
人と人や、社会全体がどんなやりとりを、どんな理由でしているのかを明らかにするため、政治学と経済学を選んだのだという。
更にレイゾン氏は、会計学も学んだ。こちらはより現実的な理由だった。
決して裕福ではない家庭だったというレイゾン家。
「私も両親も、学費を工面するため懸命に働きました」
家族で初めての大学出としては、しっかり生計のメドを立てることが求められたのだ。
「22歳の若者には、会計の道に進むことは未来の安定を意味していました」
こうしてレイゾン氏は、会計担当者として職業人生をスタートさせたのだった。(つづく)
(ジャーナリスト・五嶋正風)