ニデック(上)TAKISAWAを“同意なきTOB” 永守重信会長は「M&Aの新たなモデルケースになる」
M&Aは、事前に取締役会の同意を得て実施する友好的買収か、同意を得ずに強行する敵対的買収のどちらかだ。しかし、ニデックによるTAKISAWA買収のケースはどちらでもない。
ニデックオーナーの永守重信会長兼CEO(最高経営責任者)は「敵対的でない」とわざわざ力説する。
これまで72件のM&Aを行っており、「強引」と評されることも多々あった。
今回のような同意なき買収は、敵対的買収と同一視されがちだが、永守会長は「M&Aの新たなモデルケースになる」と語った。
経済産業省は「企業価値の向上と株主利益の確保に向けて日本企業にM&Aを推奨する」方向にかじを切っており、永守氏は、この指針にのっとってやったと説明している。
TOB価格は1株2600円。TAKISAWAの株価は18年5月以来、長らく2000円台を大きく下回り、7月前半は1200~1300円と低迷していた。プレミアム(上乗せ幅)は30~40%が一般的だが、2倍以上というプレミアムは例がない。永守氏は取締役会が反対できないTOB価格を突きつけたのである。