安倍派「5人衆」に任意聴取要請… パー券を必死に売った議員と派閥の“黒いウィンウィン”関係
自民党の裏金疑惑は核心に迫りつつあるようだ。最大派閥の安倍派が政治資金パーティー収入を組織的に所属議員へキックバックしていた疑惑をめぐり、東京地検特捜部は松野前官房長官や高木前国対委員長、世耕前参院幹事長、萩生田前政調会長、西村前経産相ら「5人衆」に任意の事情聴取を要請。
松野氏は派閥の実務を取り仕切る事務総長経験者で、高木氏は現職だ。さらに松野氏、高木氏、世耕氏は直近5年間で1000万円超の還流を受けたとされる。特捜部は幹部の聴取を今週末にかけて行い、派閥内の指揮系統などを確認するとみられている。
大半がキックバックを受け取っていた安倍派では、販売ノルマ超過分の収入を議員へ戻す手法のほか、ノルマ超過分を派閥に差し出さずに議員がプールする手口も蔓延していたという。
こぞって裏金づくりに汗を流していたわけだが、汚いカネにも色はない。
政治資金規正法違反(虚偽記載など)で罰金100万円、公民権停止3年の略式命令が確定した元麻生派の薗浦健太郎前衆院議員は、パーティー収入など4300万円を政治資金収支報告書に記載していなかった。派閥のパー券さばきに精を出すよりも、自分の政治団体を通じてパー券を乱発して裏金づくりに励んだ方が効率がよさそうにみえる。
「政治資金パーティーはうまくやれば金のなる木ですが、しくじれば赤字に泣くことになる。パー券をさばく労力は言うまでもなく、会場の手配、ハガキや電話での案内、土産物の手配など、事務作業は手間がかかる。デキるベテラン秘書を抱えていないと、年に何回も開けない」(永田町関係者)