蜜月から“いがみ合い”の挙げ句…大王海運が北越コーポの株を買い占めの顛末
製紙大手・北越コーポレーションと大王製紙の関係が再びキナ臭さを増している。大王海運(四国中央市)グループが昨年9月以降、北越コーポ株を市場内外で急速かつ大量に買い占め。これに対抗する形で北越が同12月下旬、買収防衛策の導入を決めたためだ。
大王製紙と大王海運との資本関係はさほど濃くはない。ただ大王海運は大王製紙の物流関連企業として設立されたのがルーツ。大王製紙向けの紙・パルプ原材料や「エリエール」をはじめとする大王製品の輸送が主力だ。
それに大量買い付けには「ある伏線があった」(事情通)とされている。
同7月末に大王製紙創業家に名を連ねる井川俊高氏が北越経営陣と面談。同氏から大王海運側が保有北越株を譲渡するのと引き換えに、北越側が保有大王製紙株(発行株の24.51%)を大王海運などに譲渡するとの提案を受けたもので、北越側は「事業戦略上、株を手放す意思はない」としてこれを断った。買い占めが始まったのはその直後からだ。
「意趣返しか腹いせなのか。いずれにしても大王製紙本体の意向が働いているのは明白」。北越関係者は苦り切る。