蜜月から“いがみ合い”の挙げ句…大王海運が北越コーポの株を買い占めの顛末
導入された買収防衛策は買収者の議決権比率が20%以上になると原則、株主総会の決議を経て発動。大王海運グループ以外の株主に新株予約権を無償で割り当て権利行使を認める仕組み。大王海運が四国財務局に提出した大量保有報告書によると保有比率は昨年12月18日時点で18.56%に達しており、議決権ベースでは「すでに20%を超えている」(関係筋)もようだ。
北越と大王製紙は2006年に業界最大手の王子ホールディングスが北越にTOBを仕掛けた際、「反王子」を旗印に資本提携。11年に大王の創業家3代目・井川意高会長(当時)が会社のカネを不正に引き出してラスベガスのバカラ賭博で106億円をスるといった事件を起こした際には北越が創業家保有株を買い取って大王を救った。
しかしその後は再編などを巡って思惑が対立。株主総会などでいがみ合いを繰り返してきた。業界内では「北越はいざとなったら、大王製紙株を抱え込んだまま王子か日本製紙に身売りする腹では」との臆測も飛ぶ。