豊田自動織機(上)トヨタの“源流企業”で不正…豊田鐵郎会長は退任、創業家出身の取締役はゼロに
豊田自動織機は23年3月、フォークリフト用エンジンの認証試験において、実測値と異なるデータを使用するなどしたと公表。24年1月に新たに自動車用エンジンでも不正が発覚した。不正は07年ごろから21年まで続いていた。
国土交通省は3月5日、道路運送車両法に基づきフォークリフトなど産業機械用のエンジン3機種の「型式指定」を取り消す行政処分をした。23年4月に別の2機種の指定が取り消されており、産業機械用エンジン5機種全てが取り消されたことになる。指定が取り消されると大量生産ができなくなる。
■会長、副会長が“引責辞任”に追い込まれた結果…
これが鉄郎会長と大西副会長が“引責辞任”に追い込まれた理由だ。鉄郎会長が退任することで、創業家出身の取締役はいなくなった。
創業一族の豊田鉄郎会長はトヨタの黄金時代の扉を開けた立役者の一人のトヨタ5代目社長、故・豊田英二氏の次男。トヨタ自動車販売から豊田自動織機に転じ、05年7代目社長、13年から会長である。兄の幹司郎氏(82)はトヨタグループのアイシンの会長を務めた。弟の周平氏(76)はトヨタ紡織の会長。