著者のコラム一覧
有森隆経済ジャーナリスト

早稲田大学文学部卒。30年間全国紙で経済記者を務めた。経済・産業界での豊富な人脈を生かし、経済事件などをテーマに精力的な取材・執筆活動を続けている。著書は「企業舎弟闇の抗争」(講談社+α文庫)、「ネットバブル」「日本企業モラルハザード史」(以上、文春新書)、「住友銀行暗黒史」「日産独裁経営と権力抗争の末路」(以上、さくら舎)、「プロ経営者の時代」(千倉書房)など多数。

豊田自動織機(上)トヨタの“源流企業”で不正…豊田鐵郎会長は退任、創業家出身の取締役はゼロに

公開日: 更新日:

 豊田自動織機は自動車部門がトヨタを生んだ“源流企業”であり、後から加わったダイハツなどより豊田家との関係は深い。

 1月30日の説明会の中で、豊田章男会長は、「いま、私がやるべきことはグループが進むべき方向を示し、次の世代が迷った時に立ち戻る場所をつくること、すなわちグループとしてのビジョンを掲げることだと考えた」と述べた。

 トヨタグループの原点は発明への情熱にあるとし、「次の道を発明しよう」とするビジョンを高々と掲げた。技術革新により自動車産業の概念が変わる中、多様なモビリティーを通じて、企業グループのモデルチェンジを目指すとした。

 自動車部門の創始者である豊田佐吉翁の誕生日である2月14日にビジョンを発表予定だったが、グループで不正が相次いでいることを踏まえ、発表を前倒しした。

“源流企業”である豊田自動織機と豊田家、トヨタ自動車と豊田家の関係、そして、トヨタグループの総帥・豊田章男氏が描いているビジョンの中身を解明しようと考えている。

 具体的なビジョンを提示できなければ、筆者の筆力のなさによるもので、豊田章男氏が掲げたビジョンに具体性がないということでは決してない。=つづく

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