メルシャン(キリングループ)大塚正光社長(1)入社2年目の姫路支店でアサヒ「スーパードライ」の猛攻に
「就職先にキリンを選んだのは、企業イメージがよかったのと、安定していたのと……、そう、何よりOB訪問して、ウマが合う会社だと感じたから」
言葉が速射砲のように次々と出てくる。今年3月、メルシャンの社長に就任した大塚正光(54)は、大阪市で生まれ、小学生の頃に埼玉県岩槻市(現在はさいたま市)に引っ越す。地元の県立春日部高校に進学し、野球部に所属。大学は法政大学経済学部に進み、体育会スキー部でアルペンの選手として活躍した。
1993年の入社だから、就活をしたのは92年。前年までは学生側の超売り手市場だったのが一転、バブル崩壊により就職氷河期へと突入していく年に当たった。それでも「多い時は1日4社は訪問」して、商社など複数から内定を得る。そのなかから、冒頭の理由によりキリンビールを選んだ。
尼崎工場での研修を経て、神戸支社でワインのマーケティング担当に。
「DANCEというワインの販促企画や営業数字の管理を担っていました」と話すが、入社時からどうやらワインに縁があった。