“バーバリーロス”乗り越え7期ぶり黒字転換も…三陽商会にのしかかる経営課題
もっとも三陽側から見れば「生ぬるい」といったところだろう。“バーバリーロス”により大幅な業績悪化に直面した三陽の構造改革はそれほど凄まじいものだった。4度にも及ぶ希望退職実施に、銀座の本社ビル売却や相次ぐ店舗閉鎖……。
「鮮血が流れ、生首が飛んだ」。OB関係者の一人は振り返る。
ただ復活への発射台に立った感のある三陽だが、予断は許さない。営業黒字が定着化しつつあるとはいえその水準は低く、何より「自社ブランドで大きな柱をつくる」という最大の経営課題はなお克服されたとは言えないままだ。
財務の守りに徹するあまり、将来を見据えた成長投資にも迫力を欠く。因果が再び巡ってくる可能性もゼロとは言い切れない。