過去最大の下落幅に投資家はパニック売りだが…円高・株安でも「慌てる必要なし」とエコノミストが説く根拠
株を保有しない庶民にとっては一体、何のこっちゃだろう。市場は大荒れでも、庶民生活にとっては悪いことばかりではない。
■物価上昇に若干の歯止め
これまで政府・日銀が異次元の大規模金融緩和という劇薬によって円安誘導を図り、輸出企業の利益を最大化してきた結果、円安・物価高を背景に所得が目減り。実質賃金は26カ月連続のマイナスだ。
庶民はロクに給料が上がらないまま、「金利のない世界」のコストを負わされてきた。
これから「金利のある世界」に戻っていけば、銀行の普通預金の金利が上がっていく。円安・物価高に歯止めがかかれば、めぐりめぐって家計の負担が軽くなることも考えられる。
「『弱い円』という状況は変わらないものの、多少は円高に振れたことによって企業が価格転嫁しにくくなり、足元の物価上昇に若干歯止めがかかる側面はあるでしょう。何より、実質賃金を下げ続けてきたアベノミクス的な政策が見直しを迫られること自体、大きなメリットと言えます」(田代秀敏氏)