観光業界で仁義なき「人材の奪い合い」勃発! 今年度の訪日客は過去最高の3500万人
コロナ禍を乗り越えた観光業界がいま、当時と真逆の観光客増加による生き残りのため新たな課題に直面している。
日本政府観光局が8月21日に発表した1~7月の訪日外国人観光客数は2106万9900人と、過去最速の2000万人突破となった。さらに、この勢いが続けば今年度の訪日観光客は3500万人と試算する。
こうした訪日客の需要急増にホテル、旅館では人手確保に火花を散らす激しい争奪戦が繰り広げられている。ホテル評論家の瀧澤信秋氏が最近の話としてこう述べる。
「先日、最高にうまい料理を出す長崎県の高級ホテルに宿泊したら味が落ちていた。シェフが辞めたということでしたが、待遇、条件で引き抜かれたようです。また、沖縄では高級リゾートホテルが、近くにオープンした外資系ホテルにスタッフが数十人も引き抜かれ、評価を大きく落としています。いま全国のホテルで人材の奪い合いが始まっています」
岸田文雄首相は、7月19日に首相官邸で開いた観光立国推進閣僚会議でこう語っている。
「外国人の地方滞在を後押しするため、2031年までに全国35カ所すべての国立公園に高級リゾートホテルを誘致する」