物価上昇指数は2.8%UPでも、生活者の実感は「15%超」…分析リポート担当研究員の見解は?
10月の飲食料品値上げは2911品目を数える。コメ不足による米価高騰や加工食品、ペット飲料などの大規模な値上げで年内最大の値上げとなった(帝国データバンク9月30日発表)。
原材料価格や物流費の高騰により食品をはじめ、電気、ガスなどあらゆる分野の値上げで物価高はすでに3年近く続いている。
総務省が発表した8月の消費者物価指数は前年同月比2.8%上昇(生鮮品除く)と、2021年9月にプラスに転じて以来、消費者物価は36カ月連続で前年同月を上回っているのである。物価高が続くなか、消費者は、こうした物価上昇をどう感じているのか。日本銀行が5~6月に行った「生活意識に関するアンケート調査」から意外な結果が見える。
1年前と比べた「現在の物価に対する実感」を尋ねた結果、物価の変化は平均15.7%のプラスに達した。「上がった」と回答した割合は95%に上っている。消費者が実感している物価上昇率は、実際の数字と大きく乖離し、値上げ感を強く感じていることが分かるのだ。
「物価と体感」に関するリポートを発表(9月26日)したニッセイ基礎研究所の久我尚子上席研究員がこう説明する。