「生活実感の悪化と不安」が日銀のアンケートでクッキリ…消費者物価指数は3年4カ月連続で上昇
総務省が1月24日に発表した昨年12月の消費者物価指数は前年同月比で3%上昇(生鮮食品を除く総合指数)と、3年4カ月連続で上昇しているのである。生鮮食品を含めた食品の値上げは生活者の家計を圧迫し、とくに必需品のコメは在庫の逼迫で上昇を続け、前年同月比64.5%、天候不順の影響を受けてキャベツは同125.7%、ミカン同25.2%など生鮮野菜は上がり続けている。
こうした物価高に賃金の上昇は追い付かず、厚生労働省による名目賃金から物価上昇分を差し引いた24年の実質賃金は3年連続でマイナスとなった。先の日銀調査で現在の収入について尋ねると、「減った」とする回答が30.1%、1年後の収入も「減る」とする答えが29.9%だった。
現在の暮らし向きの質問には「ゆとりがなくなってきた」との回答が57.1%と増えてきている。いずれも家計の厳しさから生活者の悲鳴ともいえる声が聞こえてくるのだ。そして、日本経済の成長力については、「より低い成長しか見込めない」とする回答が54%と、半数以上の人が今後の日本経済の成長力に悲観的な回答をしているのである。経済評論家の荻原博子氏が日銀の調査結果からこう述べている。