関税交渉で日本が持参した危険な「お土産」か…米国債追加購入の無間地獄シナリオ
際限なく押しつけられるリスクも
「米国の株式・債券・通貨のトリプル安は、自由貿易を否定するトランプ関税に金融市場がノーを突きつけている証拠です。ドルの信認が失われ、基軸通貨の維持すら危ぶまれる中、今や米国債はリスク資産でしかない。噂通り中国勢が大量売却を仕掛けているのなら、より深刻です。長期的にみれば中国の米国債保有高の激減は明らか。数年前まで世界最大1.1兆ドル以上の保有を誇っていたのに、今年1月時点で7600億ドルにまで減っています。海外勢全体の米国債保有高は約8.5兆ドル。うち友好国の日本と英国、カナダを加えても、約2.2兆ドルにとどまる。中国の影響力の及ぶ国や相互関税に不満を持つ国が今後も売り浴びせ、暴落リスクは高まるばかり。うかつに日本が買い増せば、トランプ政権の格好の餌食となり、米国債を際限なく押しつけられる恐れもあります」(経済評論家・斎藤満氏)
米国内では「さらなる追加関税と在日米軍の引き揚げで日本を脅し、1兆ドル超の米国債を超長期の100年物に買い換えさせる」とのシナリオまで取り沙汰されている。
「数兆円単位の運用益が消え、円の急落・暴騰時の機動的な為替介入も不可能になる。ますます米国の金融・外交政策への従属性が強まり、属国から永久に抜け出せなくなります」(斎藤満氏)
トランプ政権の「日本が列の先頭にいる」(ベッセント米財務長官)との甘言をうのみにし、優先交渉権に喜び勇んで駆けつけた赤沢大臣は、まさに「飛んで火に入る」となってしまうのか。