著者のコラム一覧
保阪正康作家

1939年、北海道生まれ。同志社大卒。編集者を経て「死なう団事件」でデビュー。「昭和天皇」など著書多数。2004年、一連の昭和史研究で菊池寛賞。本連載「日本史 縦横無尽」が『「裏切りの近現代史」で読み解く 歴史が暗転するとき』(講談社)として好評発売中。

暗殺された浜口雄幸は民間右翼と軍人の暴力の犠牲者だった

公開日: 更新日:
東京駅のプラットホームで狙撃され周りの人に抱えられる浜口雄幸首相(中央・白ひげ=昭和5年11月14日)/(C)共同通信社

 浜口雄幸が残した記録(「随感録」)には次のように書かれている。

「駅長室の長椅子に仰臥せしめられた自分は、始めは変を聞いて驚いて駆け付けた閣僚や、友人や医師や、家族や親戚の顔がありありと目に入った。(略)内臓出血の為であろう、次第に容態が唯ならぬ様になり、発声さへ、呼吸さ…

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