宏池会解散で自民党激震!「岸田の乱」は墓穴か乾坤一擲か…麻生派と茂木派は青天の霹靂
「ポスト岸田」を潰す狙いも
岸田首相は19日、党本部で麻生副総裁と50分間にわたって会談。当然、党内派閥解消の話をしたはずだ。麻生氏はその後、「政策集団として活動していくにあたり、そのあり方について志公会(麻生派)所属議員とよく相談してまいりたい」とコメントを出した。茂木派会長の茂木幹事長も「政治刷新本部が来週に取りまとめる中間報告も念頭に、グループの仲間とよく相談したい」と話すなど、派閥活動の継続を望んでいることが分かる。
「ポスト岸田を狙う茂木さんにとって、派閥存続は死活問題です。党内でまったく人望がない茂木さんが総理になれるとしたら、派閥の力学に乗っかるしかない。そのために麻生派、茂木派、岸田派の3派体制で政権を支えてきたのです。派閥が解散した瞬間に茂木さんはポスト岸田から転落してしまう。それに、茂木派は起訴されていないのだから、解散する必要があるとは思えません」(茂木派中堅議員)
党内には、政治刷新本部で派閥のルール作りを議論している最中に岸田首相が派閥解散を言い出したのは身勝手だという声があるのも確かで、派閥存続派が岸田降ろしに走る可能性もある。それ以前に麻生氏、茂木氏がはしごを外せば、足元が揺らいで岸田首相は終わりだ。大勝負に打って出たつもりが墓穴を掘りかねない。
「岸田首相が珍しく先手を打って、3派閥が解散を決めた以上、麻生派や茂木派が派閥に固執していたら守旧派のレッテルを貼られかねません。派閥解散という首相の決断は、裏金問題で存在感を高めつつあった菅前首相や石破元幹事長ら無派閥議員への牽制にもなり、秋の総裁選に向けて現時点では岸田首相が優位に立った。もっとも、派閥存続派の巻き返しがあるかもしれず、岸田首相の勝負が吉と出るか凶と出るかは今後の世論次第です」(政治ジャーナリスト・角谷浩一氏)
宏池会には、2000年の「加藤の乱」でも世論を見誤った苦い経験がある。「岸田の乱」もどうなるか分からない。