“死に体”岸田首相の悪あがき…4月国賓訪米で「日本売り」が加速する
「日米比首脳会談の事前調整で来日したキャンベル国務副長官が、いわゆる白人の軍事同盟であるAUKUS(オーカス=米英豪3カ国の安全保障枠組み)への協力をあけっぴろげに求めてきたのにはア然です。共通の価値観を土台とするQUAD(クアッド=日米豪印4カ国による協力枠組み)とは質が全く異なりますし、伝統的に非同盟・全方位外交を貫き『NO』と言えるインドがいる限り、米国の思い通りにはならないからです。AUKUSの枠組みにおいては、日米同盟は劣後となるリスクもあります」
■倒錯で9条改憲
そうでなくても、岸田首相は手土産の準備に余念がない。米国のお眼鏡にかなうよう武器輸出ルールの緩和を進め、武器購入の予算面の歯止めも取っ払おうとしている。連立を組む公明党が難色を示していた防衛装備移転三原則の骨抜きは、26日に閣議決定する見通し。武器購入に関する長期契約恒久化法案は19日に衆院を通過。米国製などの高額兵器を最長10年ローンで購入することを永続的に認める内容だ。防衛費増加の目くらましである。
「このまま突っ走れば、憲法9条を改憲しなければつじつまが合わない倒錯に陥ってしまう。岸田政権はふらふらではありますが、かといって野党が支持を高めているわけでもない。政権交代前夜の2008年ごろの野党支持率は合わせて2割を超えましたが、足元では1割前後でしかない。岸田政権にとって脅威となっていないのも大問題です」(五野井郁夫氏)