女帝焦らし作戦の吉凶 国の行方を決める天王山 空前の選挙戦が始まる(上)
女の戦い、目下の下馬評
「緑のタヌキVS赤いキツネ」「学歴詐称VS二重国籍」──。蓮舫出馬で、小池との女の戦いが注目されて以降、SNSを中心に騒がれていたフレーズだ。2人はともにキャスター出身。メディア露出で上げた知名度を政治活動に利用してきた。
数多い共通項は、対決構図が画になりやすい。もっとも、小池と違って蓮舫の二重国籍問題はすでにクリアされている。
3期目を目指す小池の戦い方はこれまでとはガラリと変わった。8年前は自民党東京都連を「ブラックボックス」と批判して敵対、4年前は無党派票で圧勝した。しかし、直近の衆院東京15区補欠選挙や東京・目黒区長選などで支援した候補が落選。神通力に陰りが見える中、今回は自民・公明の組織頼みで戦う。ステルス支援の形を取るが「小池のバックに自公」は有権者にバレバレだ。
一方の蓮舫。立憲や共産党、社民党の支援を受けるが、12日立憲に離党届を提出し、無所属になった。「反自民、非小池都政」の主張は明確。12日も選挙戦では、有権者が自民の姿をどうみているかも問いたい、と語っていた。「自民党政治の延命に手を貸す小池都政をリセットする」は、裏金事件に怒り心頭の一定の有権者に響いているのは間違いない。
目下の情勢について、ジャーナリストの鈴木哲夫氏はこう言う。
「小池氏は自公と都ファ、蓮舫氏は立憲、共産、社民が支援する。ある政党が細かく情勢調査をやっていて、当初、組織力と現職の強みがある小池氏が、蓮舫氏を10ポイントほどリードしているとのことでした。ところが、10日に自民党都連の萩生田会長が報道陣の取材に『小池氏を支援する』と明言したら、その後の情勢調査で小池氏と蓮舫氏の差が半分の5ポイント程度まで一気に縮まったそうです。これで分かるように、自民色を消せるかどうかが小池氏の戦いのポイントでしょう。蓮舫氏にも立憲と共産が組むことへの多少の反発はある。組織票はありがたい存在ですが、小池氏も蓮舫氏も、政党支持がどう出るのか、ネックになるのかどうかが、勝敗の行方を左右しそうです」
萩生田の嫌われっぷりはハンパない。
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