夜の料亭政治は消えゆくが…「政策活動費」廃止だけでは与野党なれ合い政治は変わらない
一昨年末、東京地検特捜部は安倍、二階両派閥の裏金疑惑にメスを入れた。連立与党は世論の逆鱗に触れ過半数割れに追い込まれたが、日歯連事件を持ち出すまでもなく、戦後の自民党政権とカネの問題はモグラ叩きのごとくである。
■がんは官邸機密費
「政策活動費は、公開義務がないことから一種の“裏金”だと批判され、廃止されますが、費目を変えればなんとでもなります。議員個人レベルの表に出せない会合費や、政党・派閥レベルの選挙対策費や野党懐柔費はどうしても必要ですからね。それに自民党の国対幹部が野党議員にバラまいてきた年間1億円もの官邸機密費は今回も野放し状態ですから、与野党なれ合いの国対政治は今後も続きますよ」
自民党議員のベテラン秘書は、したり顔でこう言う。
自民、立憲民主両党は9日、参院国対委員長会談で、14、20の両日に自民党裏金疑惑議員2人ずつの政倫審出席を決めた。これも与野党妥協のセレモニーにすぎないが、このまま生ぬるい“追及茶番劇”を続けているようだと、世論の怒りはずっと収まりそうもない。「カネの切れ目が縁の切れ目」にしていかないと、政治不信は募るばかりだ。(特命記者X)