94歳のお婆さん相手にサイコロ賭博…逮捕された胴元は79~88歳の男女だった
「勝負!」
進行役の「合力」がパッと両目を見開き、掛け声を上げ、賽壺を持ち上げると、勝者からは「よっしゃー」という歓声が上がり、敗者は「あーあー」とため息をつき、落胆していた。
大阪市浪速区日本橋の市営住宅でサイコロや張り札を使った「賽本引き」と呼ばれる賭博場を開き、客に金を賭けさせたとして、府警捜査4課は先月31日、賭博開帳図利と常習賭博の疑いで開帳側の男女3人と客の男女4人を逮捕した。
逮捕されたのはこの家に住む「寺師」(賭博場の開帳者)で「合力」(進行や金の受け渡し)の田辺隆(79)と、田辺容疑者と同居する「盆屋」(賭博場の提供者)の呉玉順(88)、サイコロを回す「胴師」の本間民子(83)ら3容疑者。一方、客は94歳の女と89歳の男、50代の男女2人の計4人。
「警察や。動くなよ!」
5月30日午後9時半ごろ、府警4課の「賭博専従班」が現場に一斉に踏み込んだところ、室内にはピーンと張りつめた空気が漂い、開帳側の3人と客4人が向かい合わせに座り、真剣勝負の真っ最中だった。