マリナーズ岩隈 チームトップの好成績支えたGMの配慮
今季はサイ・ヤング賞候補に挙げられる活躍を見せながら、どこか物足りない。メジャー2年目を終えたマリナーズ・岩隈久志(32)のことだ。
33試合に登板して14勝6敗、防御率2.66。勝ち星、防御率ともチームトップで、エース右腕ヘルナンデスとともに投手陣を牽引した。防御率のタイトルは逃したものの、リーグトップのタイガース・サンチェス(2.57)とは0.09差。2年目にしてオールスターにも選出された(登板はなし)。
シーズンを通じてローテーションを守り抜いたとはいえ、これにはカラクリがある。楽天時代に右肩の故障歴があるため、ズレンシックGMの方針で1試合あたりの球数を抑えられていた。メジャーの先発投手は1試合100球が交代のメドといわれるが、今季の岩隈は85球前後でマウンドを譲ることも。1試合平均94球で、ヘルナンデスの102球と比べても少なかった。
今季は球数制限に救われた。シーズン終了後の右肩の検査でも、際立って悪い数値はなかったそうだ。
来季は2年契約の2年目(3年目は球団オプション)。年俸650万ドル(約6億4000万円)と投手陣ではヘルナンデス(約21億7000万円)に次ぐ高給取りだけに、ズレンシックGMが特別待遇を撤回する可能性もある。