W杯17勝も ソチまで持つのか、高梨沙羅の「気力」「体力」
休むヒマもない。
19日、ノルディックスキーW杯ジャンプ女子蔵王大会で、高梨沙羅(17)が今季8度目の優勝。W杯通算17勝は男子の葛西紀明(41)を抜き、日本人最多勝だ。
2日続けて途中打ち切りとなる猛吹雪の中、ソチのジャンプ台と同じ形状の助走路を制覇。
「記録は考えていない。もっともっとレベルアップできるように頑張ります」
と話した高梨は今シーズンだけで5大会、9試合に出場。今後もソチ五輪まで欧州を転戦するなど、6試合に出場する。絶え間ない実戦と長距離移動で五輪本番まで体力と集中力は続くのか。
旧ユーゴスラビアの元ナショナルスキーチームのコーチで運動生理学が専門の平山昌弘氏は、「まったく問題ありませんよ」とこう言う。
「ジャンプに限らずスキーという種目は、11月末から3月までのシーズンを通じて世界各地を転戦する。五輪はあくまで、その中のひとつの大会という位置づけです。もともと試合数は多く、長距離移動も日常茶飯事。試合が終わったその日に車で400キロの移動も普通なのです。私の経験ですが、カルガリー五輪が終わってバンクーバーでW杯、さらにその翌週は札幌で試合ということもありました。1000キロの移動すらも決して珍しくない。選手もそうした移動や試合数に慣れているので、それでバテるような選手はそもそも期待ができません」
高梨は昨シーズンも北欧、東欧、ロシア、日本などを転戦し、W杯だけで13試合に出場して、8勝を挙げている。
ソチでも心配はなさそうだ。