冷徹、ダブつき、墓場…マー君が直面するメジャー事情
この球団に籍を置いた日本人メジャーリーガーで、幸せな現役生活を全うした選手はひとりもいないのではないか。
田中将大(25)争奪戦で、本命視されるヤンキースのことだ。
■ヤンキース「編成に情はさまないオーナーとフロント」
伊良部秀輝は2ケタ勝ちながら、故スタインブレナー・オーナーに「太ったヒキガエル」とコキ下ろされトレードに。松井秀喜はワールドシリーズMVPを獲得、9年ぶりの世界一に貢献するも、その年のオフの契約を見送られた。本人が再契約を望んでいたにもかかわらずだ。イチロー(40)は実働わずか1年間で控え外野手に降格。現在は完全な戦力外で、放出要員になっている。黒田博樹(38)だって、いまはエース格と持ち上げられているものの、結果が出なければシーズン中でも切り捨てられる。
ヤンキースはこれまで、ワンマンオーナーが球団を牛耳ってきた。別名「ビッグ・ボス」。負ければ監督室に直接電話をかけて、指揮官を怒鳴り散らす。大金を積んで働かない選手は、容赦なくクビにした。球団関係者にはボスのスパイがうじゃうじゃ。内部情報にも精通していた。