冷徹、ダブつき、墓場…マー君が直面するメジャー事情
ビッグ・ボスの死によって、オーナー職も代替わり。10年から後を継ぐ次男のハル(44)は高校の同級生だったキャッシュマンGMにほとんどすべてを任せているとはいえ、選手にシビアな体制に変わりはない。「選手の年齢と成績を独自のシステムで数値化。チーム編成に一切、情は挟まない」(ヤンキース担当記者)という。
■ドジャース「サイ・ヤング賞がゴロゴロいる先発陣
ドジャースはもともと多国籍軍。一昨年、元NBA選手のマジック・ジョンソンらがオーナーになり、豊富な資金力をバックに有力選手をかき集めてきた。昨オフは6年147億円の右腕・グレインキー(30)に加えて、左腕・柳賢振(26)を6年36億円で獲得。このオフは9年連続2ケタ勝利のヘイレン(33)をFAで手に入れた。柳賢振の加入でロス近郊の韓国人がドジャースタジアムに押し寄せたため、今度は田中を獲得して在米日本人の歓心を買おうというわけだ。
とはいえ、大金をはたいて有力選手を買い漁ったため、目下、ローテーションは飽和状態。先日7年総額210億円で契約延長したカーショー(25)、グレインキー、柳賢振の3本柱にヘイレンと先発5人のうち4人が決まっていて、5人目をベケット(33)とビリングズリー(29)の手術明け2人が争っている。しかもカーショーとグレインキーはサイ・ヤング賞投手。ベケットはワールドシリーズMVPを獲得した実績の持ち主。コレッティGMは「補強にこれでよいということはない」と話しているものの、これだけの豪華布陣に田中が入ったとしてもエースどころか先発の座も安泰とはいえない。