他球団の視線が集まる阪神・呉昇桓の“怪しいモーション”
「今の段階ではいいんじゃない?」
20日、阪神の新助っ人・呉昇桓(31=韓国サムスン)が紅白戦で初となる実戦登板。投球をチェックした他球団007のひとりが、不敵な笑みを浮かべてこう言った。
新井貴には甘く入った変化球を2ランされたものの、最速は147キロをマーク。新球のスプリットも投じた。制球は上々で、クイックも無難。呉は「投球練習のつもりだった」とサラリと言うと、和田監督は「キレがもっと出てくるだろう」と及第点を与えた。「2年9億円」の超大型契約を結んだ新守護神が実力の片鱗をうかがわせたといえる。
ただ、問題はこれからだ。呉には去る9日、ブルペン投球の際に審判団から「2段モーションではないか」と“物言い”がついた。
踏み出す左足が2度ステップするような独特のフォームは、打者のタイミングを狂わせる大きな武器。「自然とこうなった。プロに入って周りの選手と違うので直そうと思ったが、直せなかった」と話した呉は、13日のブルペンでは左足をスムーズに出すよう工夫する姿もあった。