専門筋はこう見る 日本の有力選手が五輪本番に弱い理由
「日本人ほど五輪が好きな民族はいません。一連の過熱報道や過度の期待から、有力選手は国や日の丸を背負い、自らを追い込む。『金メダルしか許さない』といわれている柔道の男子選手なんて毎回ガチガチです。欧米には国のために戦うなんて選手は皆無です。浅田選手は多くの個人スポンサーを抱え、高梨は『五輪がない時代の先輩たちは苦難の中で競技を続けた。今があるのは先輩のおかげ』といって感謝しながら飛んだ。スポーツに関しては今の時代、『何かのために頑張る』という責任感は、メダルの期待が大きな選手には重圧になるだけです」
今回のソチでは、スノーボード競技で3人のメダリストが出たが……。
「誤解を恐れずにいえば、彼らは何も背負っていなかったと思う。国や日の丸、世話になっている関係者らを多分に意識する古風な選手より、純粋に競技を楽しみ、集中していたと思う」(前出の平山氏)
背中が「重い」人は五輪のメダルは手にできない。