虎ようやく初勝利も…このままじゃ抑えの呉は「宝の持ち腐れ」
阪神弱し――。巨人の原辰徳監督(55)は、この2日でこう感じただろう。
3―2で勝った9日に続き、開幕カードで対戦する阪神に伊勢で行われた10日の試合も7―6で勝利。新人の小林誠司(24=日本生命)に初本塁打となる満塁弾が飛び出しての逆転劇に、原監督は「ああいった場面でああいった打撃ができる。大きな可能性を感じる」とニコニコだった。
対照的に阪神はドロ沼だ。オープン戦7連敗後の11日、12球団のしんがりでようやく初勝利をあげた。
10日の試合こそ6得点したものの、試合前までのチーム打率は.190。こちらも12球団唯一の1割台と極貧打線を露呈している。温厚な和田豊監督(51)をして「負けていい試合なんてない。我々も選手も悔しさを出さないとファンに失礼」と苛立ちを隠せないほどの体たらくぶりだ。
■年俸2億5000万円はドブに捨てたも同然?
昨年からの上積みが感じられないどころか、かつてのダメ虎を彷彿(ほうふつ)させる宿敵の弱さに原監督は高笑いだ。昨季2位の阪神との対戦成績は12勝11敗1分けとほぼ五分。なんだかんだ言って、これまでは阪神をライバル視していた。抑えの呉昇桓(31)と4番候補とされるマウロ・ゴメス(29)の新助っ人外国人の実力を気にしていた。それが、右ヒザ裏痛のゴメスはこれまで実戦出場なし。いまだベールに包まれたままで、15日以降にやっと出られるかもしれないという状態。貧打で勝ち試合がなければ、抑えの呉がどんなにいい投手だろうと出番はない。早くも宝の持ち腐れ状態である。