相撲協会を救い、裏切られた…放駒前理事長の早すぎる死
あまりに突然すぎた。
18日、相撲協会の放駒前理事長(元大関魁傑、本名西森輝門)が66歳の若さで逝去した。
都内のゴルフ場で練習中、急に気分が悪くなり、救急車で病院に搬送。そのまま、帰らぬ人となった。
現役時代は「クリーン魁傑」と呼ばれたガチンコ力士。10年に野球賭博問題で辞任した武蔵川理事長(元横綱三重ノ海)の後を継ぎ、角界トップに就任した。
11年に八百長騒動が勃発。調査と解決に奔走し、十両を中心とした21人の力士に引退勧告を行った。
「当時は『トカゲのシッポ切り』と世間から非難されたが、八百長の疑いのある力士をすべて処分したら相撲協会が潰れかねない。あくまで協会の存続を考えた上での処分だった」(担当記者)
相撲協会にとっては存続の危機を救ってくれた大恩人のはず。ところが、新公益法人移行の際に「協会が親方株を買い上げる」と言ったことで、親方衆から非難囂々(ごうごう)。昨年2月に恒例となっている定年会見を行わず、協会を去った。翌3月には八百長で追放された蒼国来の解雇無効が裁判で認められると、北の湖理事長ら現執行部から「前執行部の調査が甘かったからだ」とヤリ玉に挙げられた。