釜本邦茂氏「足りなかったのは、アイデアではなく勇気」

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■試合後は対照的だった両チームの選手たち

 ザッケローニ監督に聞きたいことがある。「どうして3人目の交代カードを切らなかったのですか?」と。0-0のまま時間だけが過ぎていく。膠着状態を何とかしたい。1人少ないギリシャ選手は疲労困憊。足が止まりかけている。香川が時折ドリブル突破を試みて、ギリシャ選手を混乱させようと必死だ。選手交代枠が残っている。ベンチには、ドリブラーとして代表入りしたFW斉藤学がいる。 しかし、ザッケローニ監督は後半40分を過ぎてから「CB吉田をパワプレーで相手ゴール前に張らせる」手立てしか持ち合わせていなかった。

 試合が終った瞬間、何人ものギリシャ選手が、精も根も尽き果てたといった風情でピッチに倒れこんだ。では日本は? スコアレスドローにショックを受けながら、それでも倒れこんだり、しゃがみ込むような選手は見受けられなかった。

 コロンビア戦に向けて言葉を送りたい。「ボールにかじり付いてでもゴールにブチ込んで欲しい」「終った後に動けなくなるほどフルに動き回って欲しい」「勝てなくてもいい、闘志溢れるプレーで日本国民を感動させて欲しい」。

 心から健闘を祈っている。

(構成/日刊ゲンダイ)

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