日本の必勝パターンぶち壊した大久保の「オレが、オレが」
サプライズで代表入りした大久保嘉人(32)は5月の鹿児島・指宿合宿から日本代表に合流。以前から顔見知りだったFW柿谷曜一朗、香川たちが大久保を取り囲み、もともと親分肌の大久保をトップにした「大久保組」が形成され、これが代表チーム内に微妙なカゲを落とすことになった。
チーム内に確固たる地歩を築いた大久保は、ピッチ上でも「思ったことはズケズケと言わないと気が済まない」(現地取材中のサッカー記者)性格もあり、チームメートに対して「前線のオレに縦パスが入らない」「まずはオレに当てろ」「ボールを奪われても取り返してやる」と言いたい放題。主将のMF長谷部が「嘉人さんは何でもオレに、オレにという人なので……」とゲンナリしていた。
ザックジャパンは左サイドの香川、左SB長友佑都、トップ下の本田が連係してパスをつなぎながらチャンスをつくり、最後は2列目右のFW岡崎がゴールを決める――という必殺パターンがあった。そこに大久保が加わり、1トップから2列目左右のポジションを好き勝手に動き回ることで、定番の攻撃パターンを崩すことになった。
大久保を選んだザッケローニにも責任はあるだろうが、チームのためにコンビネーションを取ることよりも「オレが決めてやる!」とシャカリキになり、チームを混乱させた大久保の罪は重い。