ヤクルト小川を直撃した「時速180キロ硬球」の恐怖
「すごい打球だった。生きててよかったです」
神妙な表情で語るのは、ヤクルトの「ライアン」こと小川泰弘(24)だ。
昨季の最多勝、新人王右腕は開幕直後、4月18日の阪神戦で、鳥谷の打球を右手に受け、右手有鉤骨鉤の骨折で戦線離脱。リハビリを経て8日に一軍合流。この日(10日)は、ブルペン入りして先発復帰予定の12日のDeNA戦に備えた。
強烈なピッチャーライナーは時速180キロ近いともいわれる。小川に打球直撃の恐怖体験について改めて尋ねると、冒頭の言葉に続けてこう言った。
「僕はボールを投げ終えると一瞬、目線が下を向くんですが、打球に反応しようと目を上げたら、白いボールが僕の目の前にあったんです。あとはもう、勝手に右手が顔の前に出てました。当たった瞬間? 動きがスローモーションで見えるとか、稲妻が走るとかそういうのはなかった。試合中だったので激しい痛みも感じなかった。右手に当たった跳ね返りであごにぶつかって、ボールは一塁方向へ転がっていった。手を出してなかったら、きっとあごに当たっていたと思う。もしあごに直撃していたら? 想像したら…ゾッとしますね(苦笑い)」