ロッテのフロント陣が複雑な思いで西武3連戦を見守る理由
ロッテのフロント陣が25日から始まった西武との3連戦を複雑な気持ちで見守っている。
大枚をはたいて西武から獲得した選手が一向に活躍しない一方、「見切り」をつけた選手が次々と西武の戦力になりつつあるからだ。
「渋チン」といわれるロッテは昨オフ、珍しくFA補強に参戦。総額およそ5億円を投じて西武の涌井秀章(28)を獲得した。ところが、その涌井はシーズン序盤から周囲の期待を裏切り続け、ここまで3勝8敗、防御率4・52。26日に一軍復帰するものの、ここまで二軍での調整を強いられるなど精彩を欠いている。
その涌井の人的補償でロッテから西武に移籍した中郷大樹(29)は現在、中継ぎとして欠かせない存在に。
さらに今月22日には、12年オフにロッテが入団テストで「不合格」の烙印を押した小林宏之(36=元ロッテ、阪神)が年俸600万円で西武に加入した。一軍登録されたこの日、さっそく六回から登板。2四球を与えながらも1回を無安打無失点に抑えた。
折しも今回の3連戦はロッテと西武の「ライバルシリーズ」。千葉と埼玉を本拠地にする両軍が「対抗心」を剥き出しにして戦うカードだ。ロッテから格安で手に入れた選手が活躍する西武はともかく、大金をはたいた選手がからっきしで代わりに出て行った選手に働かれるロッテのフロントは胸中も複雑に違いない。
ちなみに、この日はロッテの勝利。フロント陣はひとまず胸をなでおろしたらしい。