国内FA権の取得控え 阪神・西岡に「ロッテ復帰」待望論
「権利を行使するなら、モチベーションは高いでしょう」
26日に故障から約3カ月ぶりに一軍合流、リーグ戦再開の27日から復帰する西岡剛(29)について、こんな声が聞かれる。
西岡は、残り27日間の一軍登録で国内FA権(8年)を取得する。球団は「大事な選手」と残留を要請する方針。西岡と阪神との契約は2年とも3年ともいわれるが、先日の親会社の株主総会では、この西岡や福留を巡って、「大リーグで使えなくなった選手を買いあさり、金額に見合った活躍をしているかといえばそうでもない」と、フロントの補強方針に株主から批判の声が上がった。
周囲から逆風が吹く環境。しかも本職の二塁は上本に譲り、三塁を守る。プライドの高い西岡が納得しているかどうか。FA宣言すれば手を挙げる球団はゼロではないだろう。中でも、古巣のロッテは西岡が10年オフに入札制度でメジャーに移籍するまで8年間過ごした球団。本人には愛着がある。
「移籍当時、西岡の周辺ではメジャー挑戦した後は阪神で日本球界に復帰し、2年ほどプレーしてロッテに復帰するという青写真が描かれていた。フロントの体制は当時とガラリと変わったが、関係のいい重光オーナー代行は健在。西岡が昨年の交流戦でQVCマリンに凱旋した時は、ロッテファンから『ツヨシコール』がとどろいた。球団にもファンにも復帰待望論がある。西岡の今季年俸は2億円プラス出来高と高額だが、ロッテは西岡の移籍、フロントの内紛劇があったことで、観客動員は西岡の在籍最終年の10年度に比べ、昨年は約29万人減の126万人。人気低迷に悩むロッテにとって、人気復活の起爆剤にもなりうる」(ロッテOB)
この日、西岡は「(復帰する27日は)忘れられない一日になると思う」と力を込めた。権利取得を控えた男が、5.5ゲーム差で首位を走る巨人追撃ののろしを上げる。