米スカウトも垂涎 デスパイネこそキューバ人「本物の至宝」
「今度も『至宝』だってよ。あの国には至宝が何人いるんだよ」
アルフレド・デスパイネ(28)のロッテ入団が決まると、某パ球団編成担当はこう言っていた。巨人のセペダ(34)、DeNAのグリエル(30)に次ぐ3人目のキューバ人助っ人。いずれもスポーツ紙に「至宝」と冠された先輩2人が不振と故障ですぐに二軍落ちを経験しただけに、「今度のデスパイネも名前だけだろ」とライバル球団は皮肉交じりに笑っていたのだ。
3日のオリックス戦、そのデスパイネが打線に火をつけた。先頭打者として打席に入った0-2の五回。中堅左にソロを叩き込むと、これが反撃ののろしとなって一挙5得点。チームに後半戦初の連勝をもたらした。
京セラドーム大阪の左翼席最上段まで運んだ1日の1号に続き、3日で2本目の一発。打率はそれでもまだ・208と低調だが、来日2カード目となった今回のオリックスとの3連戦では12打数4安打、2本塁打、4打点と活躍し、伊東監督は「一発で試合の流れを変えた」と絶賛である。
「メジャーのホワイトソックスに在籍するホセ・アブレイユ(27)が米誌の取材に唯一、名前を挙げたのがデスパイネ。キューバから亡命して、メジャー1年目の今年、両リーグ2冠の31本塁打、84打点と打ちまくるアブレイユがライバルと認めているのです。ロッテ入団が決まるとメジャーのスカウトがため息をついた、と言われるほど、デスパイネは米球界でも注目されていた」
とは、メジャーのスカウト。「至宝」の大安売りといった感じのキューバ人助っ人。本物は誰なのかそのうちハッキリするというのだが……。