打率そこそこでも戦力外 イチローを縛るヤ軍首脳の“処世術”
イチローの残りの年俸を負担、なおかつリリーフ投手を出すという球団が現れればともかく、これまでヤンキースが何度も放出を試みて商談は成立しなかった。今後、トレードがまとまるかどうかはともかく、「騒動ではっきりしたのはイチローがヤンキースの来季構想から完全に外れたということです」とは前出の鈴村氏。いや、外野のスペアという今季の立ち位置を見ても、すでにヤンキースでは「戦力外」も同然だ。
■イチローに活躍されると困る理由
10日現在、イチローは102試合に出場して打率2割7分7厘。2割8分のエルズベリーや2割7分9厘のガードナーと打率だけを見れば大差ない。イチローに代わって右翼を守るケースが増えたプラドは打率2割8分2厘に過ぎない。守備と走塁を加味すればイチローの方がはるかに格上の選手にみえる。それでも「控え」なのはどうしてか。
「キャッシュマンGMとジラルディ監督は野手に関して、特に出塁率と長打率を足した『OPS』という数値を重視する傾向が強い。ヤンキースの中心選手はOPSが7割から8割、6割台だと下り坂に差し掛かっている、あるいはこれからの選手と判断されてしまいます。OPSが6割4分6厘で、40歳のイチローは前者とみられているのでしょう」(鈴村氏)