初戦敗退の龍谷大平安 原田監督が漏らしていた伝統校の重圧
「初回がすべてです。あの5点が響いた。5点を返す力がない。限界を超えていた」
こう言って肩を落としたのは龍谷大平安(京都)の原田英彦監督(54)だ。開会式直後の第1試合の初回、春日部共栄(埼玉)相手にいきなり5失点。七回に1点を返すのがやっとで、史上8校目となる春夏連覇の夢はあっさり消えた。
春夏合わせて71回目の甲子園は史上最多。プロ野球界にも名だたるOBがごまんといる。伝統校を率いる原田監督のプレッシャーはハンパじゃない。大会直前、原田監督は本紙記者にこう言っていた。
「そらもう、OBの数は多いし、負けたらOBやファンの批判がハンパないですから。『ガンバレ』と応援してくれるのは1年目だけ。あとは負けたら批判の嵐。甲子園に出ても、1回戦で負けて学校に帰ったときは先輩OBに説教されるし、大勢のファンに囲まれて『コラ原田、土下座せい!』ですから。練習試合でも強烈なヤジが飛んできます。『何やっとんねん! 辞めてまえ!』なんて言われるのはよくあることですわ。ヤジられながら、心の中では『なんでそこまで言われなアカンの? オレ、プロ野球の監督とちゃうぞ』って(苦笑い)」