佐賀北・百崎敏克監督の指導方針は「価値観を押し付けない」
13日登場する佐賀北(佐賀)の指揮を執る百崎敏克監督(58)は佐賀北、国学院大出身の国語科教諭。07年に同校を率いて全国制覇、神埼高時代も含めて今回が5度目の甲子園出場となる。県立校の教員監督に、その指導方針を聞いてみた。
――監督はどのような指導を心掛けていますか。
「僕は『百崎野球』とか『百崎イズム』と言われるのが嫌いなんですよ。集団だから部の約束事は守れと言いますが、打撃論、投球論という技術的なものに関して、価値観を押し付けるのはしない。今の部長は独自の打撃理論を持っているんですが、生徒の中には指導とは逆のことをするのもいる。部長とすれば『言うことを聞かない』となる。でも、『それは違うぞ。あんたに影響を受けているんだぞ』と。初めから何も受け入れない身勝手なのはダメだけど、受け入れた上で取捨選択をしているのなら、本人にとって十分、血となり肉となっていると思うんです」
――指導者の言うことも絶対ではないと。
「物の考え方も一緒です。大新聞が言っていることが常に正しいとは限らない。よく生徒には『有名なプロ野球出身の人が必ずしも正しいわけじゃない。酔っぱらいのおっちゃんの言うことがヒントになることもある』と言ってます。世の中のことについて、疑ってかかるということもあっていい。特待生問題のときも大新聞等が取材に来て、私学の負の部分を語らせようとしたんです。でも私は『そうは思わない』とハッキリ言いました。私学だって大変だし、事情があるわけですから」