来季続投へ 阪神・和田監督が上層部に評価されているワケ
就任1年目こそ5位に低迷しながら、2年目の昨季は2位、そして今年も巨人と優勝を争っている。
「それに敵をつくらない人ですから」と、阪神OBがこう続ける。
「現役時代に85年の日本一も、ダメ虎といわれた暗黒時代も経験。野村監督時代は『暗い』とヤリ玉に挙げられ、引退した直後は、決まっていたコーチ就任を白紙に戻されそうになった。それでもグチひとつコボさず、耐え忍んだ。そんな姿がタイガースの中枢にいる人たちの共感を呼んだ。もともとタイガースの最大派閥に属していることもプラス材料。和田監督を現場トップに据えることで組織も一枚岩として機能していくと、上層部も考えている」
■「絶対に負けられなかった」
さて、続投が内定した成果なのかどうか。まさかのサヨナラ負けから一夜明けたこの日の首位攻防戦第2ラウンドは延長十回、ゴメスの勝ち越し2点本塁打で勝ち、巨人とのゲーム差を再び「1.5」に。
自力優勝消滅の危機も脱した。
試合後のゴメスが「チームの勝利に貢献できて本当にハッピーだ。リラックスして、自分の打てる球だけを打とうと意識していた」と笑顔で話せば、和田監督も、「きのう痛い負け方をして、きょうは絶対に負けられなかった。いまは順位、ゲーム差をあまり考えないようにしている。あすは藤浪? 勝ち負けを抜きにしても、伝統の一戦でいいゲームができている。そういう中で藤浪に勝ちがつくようになればいいですね」と満足げに話した。