勝負弱さ浮き彫りに…阪神「首位攻防初戦」逆転負けの“戦犯”
長丁場のペナントレースには、絶対に落としてはいけない試合がある。阪神にとってこの日のゲームがまさにそれだった。
勝てば巨人に0・5ゲーム差に迫る首位攻防初戦。1点リードで迎えた九回裏。マウンド上には守護神の呉昇桓。阪神ファンの誰もが勝利を確信したはずだ。
ところが、ファンの顔色は数分で変わった。
呉は先頭の阿部に右翼二塁打を許すと、村田に対する暴投で代走の鈴木が三進。村田の犠飛で同点にされ、続く矢野に四球を与え、サヨナラの走者を出す。7番隠善にも、捕手鶴岡の股間を抜ける暴投で代走大田が二塁へ。2死後、8番ロペスに真ん中低めの直球を中前へ運ばれ、まさかの逆転負けである。
■狙われた直球
試合を見ていた韓国メディアのひとりは「阿部に対する配球が問題だった」と言ってこう続ける。
「梅野はよく、一発警戒で逃げのリードをするが、九回からマスクをかぶった鶴岡も、初球にツーシームから入り、外角のスライダー、ツーシームと変化球を続けて打たれた。スンファンは初っぱなから真っすぐでガンガン押したいタイプ。あの配球で気持ちが萎えてしまった。阿部に対する投球も含めて、ツーシームやスライダーが3度もワンバウンドになってしまい、巨人打線に真っすぐを狙われた」