メジャー帰りは弊害ばかり 積極補強に走る日本球界の“魂胆”
「残念ながら、今の松坂に往時の力がないことは明らか。その松坂を本当にチーム再建の切り札と考えているなら、西武のフロントは不明もいいところです」
のっけからこう言うのはメジャーにも詳しいプロ野球ファン吉川潮氏(作家)だ。5日に一部スポーツ紙が1面や裏1面で「西武、松坂獲り!!」とデカデカと報じたのを見て、「どうして、日本の球団のフロント幹部といわれる連中はこうも学習能力がないのか。呆れてしまいます」というだ。
西武は今季、6月に伊原新監督が成績不振で休養。田辺監督代行が指揮を執ったものの、一度もAクラスに浮上することなくシーズンを終えた。ドン底に沈んだそんなチームの再建をかつてのエースに託したいという球団は松坂大輔(34)に、愛着のある背番号「18」を用意するだけでなく、一説には現年俸(1億5000万円)の倍以上の金額を準備しているというのだ。
来年で35歳になる「元怪物投手」は今季所属したメッツで先発、中継ぎとして34試合に登板したものの、成績は3勝3敗1セーブ。防御率は昨季の4.42より改善したとはいえ、3.89だった。西武時代の8年間で3度の最多勝に輝いた面影はもはやない。アメリカ野球愛好会副代表の鈴村裕輔氏もこう言う。