メジャー帰りは弊害ばかり 積極補強に走る日本球界の“魂胆”
「松坂選手の今季年俸は1億5000万円で、これはメジャー平均年俸の4割程度。今の松坂選手の評価はその程度なのです。特に、30代中盤で年俸1億円台の投手というのは、球団側からすると『保険』。戦力としては『使えない』という烙印を押されているようなものなのです」
■活躍した選手はほぼゼロ
松坂だけではない。阪神は中島裕之(32=現アスレチックス)の獲得に興味を示し、オリックスも川崎宗則(33=ブルージェイズ)に触手を伸ばしているのだが、そもそも、これまでメジャーから帰ってきた選手で年俸に見合う働きをした選手はほとんどいない。阪神の西岡剛(30)、福留孝介(37)がいい例で、井川慶(35=オリックス)、岩村明憲(35=ヤクルト)、川上憲伸(39=中日)もファンや周囲の期待を裏切った。「メジャー帰り」でそれなりに活躍したのは新庄剛志(42=元日本ハム)や井口資仁(39=ロッテ)、斎藤隆(44=楽天)など、ほんの一握りである。
「特に井川や西岡のように、いくら日本で実績があっても、海を渡ってマイナーでプレーしていれば、必然的にレベルが下がる。長時間のバス移動や過酷な連戦も頻繁にあるマイナーは、体力の消耗が激しい。そんな環境に身を置けば、日本の一流選手でも1、2年で体力、精神力がボロボロになります」(鈴村氏)