元メジャー田中賢介が日ハム復帰へ 懸念される“玉突き人事”
日本ハムといえば「ドラフト」と「育成」がチームづくりの基本方針。FA補強に目もくれないどころか、移籍を志願する選手は基本的に引き留めない。自前で選手をやりくりしながら、過去10年でリーグ優勝4回と結果を残してきた。そんな球団が自分の意思でチームを出たベテランを戻すという。
一昨年オフ、海外FA権を行使して米球界に挑戦した田中賢介野手(33、前レンジャーズマイナー)のことだ。
日本ハムは「3年に1度リーグ優勝する」というスタンス。昨年は最下位に沈み、今年は3位だったものの、CSではオリックスを下し、優勝したソフトバンクと五分に渡り合った。
大谷(20)、近藤(21)、中島(23)ら若手の成長も著しく、田中の加入で打線の厚みが増せば、来季は本気で優勝を狙えると、フロントはソロバンをはじいているらしい。
しかし、「二塁手の田中が復帰すれば、ポジションがひとつ減る。結果として若手の芽を摘むことになる」と、日本ハムOBがこう続ける。
「せっかく二塁に定着した中島は遊撃へ。遊撃の大引は三塁へ回る玉突き人事が有力です。そうなると、三塁を守る近藤の出番は必然的に減ってしまいますからね」
田中の復帰は、ようやく芽が出てきた若手の士気を下げる可能性もあるというのだ。