東京五輪「野球・ソフト復活」に横たわる3つの“大疑問”
「IOCは五輪のビジネス利用を厳しく禁じています。従って東京ドームを五輪施設に衣替えしない限り、野球・ソフトボールの会場として認められません」(元JOC職員でスポーツコンサルタントの春日良一氏)
すべての広告を消去するか、見えないようにする必要があるということだ。今回に似たケースでは96年のアトランタ大会。開催球場となった大リーグのブレーブスの本拠地フルトン・カウンティ・スタジアムは期間中、フェンスの広告などがすべて青く塗られたり、幕で覆われたりして、五輪マークと開催都市のシンボルマーク以外は目に入らないように処置した。
仮に東京ドームが同様の方法を取ったとしても問題は残る。五輪の期間は約2週間。準備や練習などで球場を使用するとなれば、前後約1カ月は現状のままでは使えない。その場合、年間で契約している広告料、看板料はどうするのか。割り引くのか、期間中の補償をするのか。また、東京ドームに併設している売店やレストランなどの営業問題もある。
「長野五輪のときに地元の和菓子店が五輪マーク入りの饅頭を作ろうとしたが、組織委員会から許可が下りなかった。そんなところまでチェックするのか、というくらい厳密です。併設する店舗も当然、期間中は閉店ということになるでしょう。球場内で売られている弁当やグッズなども同じで販売できなくなります」(春日氏)