東京五輪「野球復活」に冷や水浴びせる米国とキューバの思惑
米国とキューバの急接近が、2020年東京五輪での野球、ソフトボールの復活に大きな影響を与えそうだ。
21日からキューバの首都ハバナで、米国とキューバが半世紀ぶりの国交正常化を目指して交渉を開始。国交が正常化されることで、野球を五輪種目に加えるうまみがなくなるのはキューバだ。
「キューバにとって野球が五輪種目に加わるのはむしろマイナスでしょう」と、アメリカ野球愛好会副代表の鈴村裕輔氏がこう言った。
「これまでキューバのトップクラスの選手がメジャーで稼ごうと思ったら、亡命するしかありませんでした。けれども、その必要がなくなる。亡命の仲介者に支払う莫大な経費もいらなくなり、メジャー側はキューバの選手に大金を払う必要がなくなるわけです。キューバのトップクラスの選手の多くは、いよいよメジャーに流出するようになります。キューバは野球が五輪でメダルを獲得することを国威発揚の手段として利用してきましたが、それができなくなるわけですからね」
五輪で野球が結果を出せなければ、むしろマイナス。ならば五輪種目として復活しない方が得策だ。